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校長あいさつ

2015年05月08日
第1ステージ 「春」

 始業式、入学式から一ヶ月、193人の駒の子たちは、毎日元気に、授業や遊び、行事などの学校生活を楽しんでいるようです。
 
 第1ステージの朝礼で、NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」で前々日に紹介された、吉田松陰が処刑直前に書いた「留魂録」の話をしました。(子どもたちには、もっとやさしい言葉で伝えましたが……) 
 「今日死ヲ決スルノ安心ハ四時ノ順環ニ於テ得ル所アリ 蓋シ彼禾稼ヲ見ルニ春種シ夏苗シ秋苅冬蔵ス 秋冬ニ至レハ人皆其歳功ノ成ルヲ悦ヒ酒ヲ造リ醴ヲ為リ村野歓声アリ……(後略)(第八節 原文)」
 「今日、私が死を目前にして、平穏な心境でいるのは、春夏秋冬の四季の循環ということを考えたからである。つまり、農事で言うと、春に種をまき、夏に苗を植え、秋に刈り取り、冬にそれを貯蔵する。秋、冬になると農民たちはその年の労働による収穫を喜び、酒を造り、甘酒を造って、村々に歓声が満ちあふれるのだ。(現代語訳)」
 
 吉田松陰の言葉を借りれば、本校の「第1ステージは『春』、つまり種をまくとき」にあたります。みなさんは、新しい学年になって、がんばりたいこと、やってみたいこと、できるようになりたいことなどがたくさんあると思います。その種をまきましょう。
 ただし、学校は、みんなで生活や学習をするところですから、自分の種だけでなく、みんなのいろいろな種が芽を出すためには、ルールやマナーが大切です。第1ステージの目標「学校生活のルールやマナーを 一人一人が身につける」は、みんなが気持ちよく生活や学習するために必要なことです。
 例えば、「あいさつ」は、した人もされた人も気持ちのよいものですね。今朝、自分から進んであいさつができた人はいますか? たくさんの人が手を挙げてくれたので、私もとてもあたたかでうれしい気持ちになりました。
 第1ステージに、みなさんがどんな種をまくのか楽しみにしていますね。

 午後のPTA総会では、朝礼の内容と、子どもがどんな種をまこうと、「無理」とか「できない」とは言わないでほしいことを伝えました。
 「水槽の中に透明な仕切りを入れると、魚は仕切りにぶつかる前に向きを変える。しばらくして仕切りを外しても、魚は以前仕切りがあったところで向きを変え、その先には行こうとしない。人間も同じで、壁があると思ったら、絶対にそれを超えることはない。」という話を聞いたことがあります。だから、子どもが挑戦してみる前に、無理とかできないと言ってしまったら、絶対にできるようにはなりません。
 また、子どもがたくさんのことをがんばろうとしても、今の段階では見守ってください。「第2ステージの『夏』、苗を植えるとき」が始まるときに、たくさん芽が出た中から、苗として植えたいもの、つまり今年特にがんばりたいものを選ぼうという話を子どもたちにする予定です。

 保護者や地域の皆様、種をまき、芽を出そうとしている子どもたちの姿を、ぜひ見に来てください。そして、私たち教職員と一緒に、太陽の光や豊かな水、さわやかな風や、養分たっぷりの肥料などとなって、子どもたちが元気よく育っていくための手助けをお願いいたします。 
 いつでも結構です。駒形小学校に、ぜひお立ち寄りください。
                                校長 大塚富美子 
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